(34) ナホム書

小預言書7番目はナホム。南ユダ王国の預言者です。ナホム書は、ヨナ書とつながりがあります。ヨナ書の“続編”みたいな感じですよ。

☆主は怒るのにおそく、力強い(ナホム 1:3)

ヨナとナホムの共通キーワードは「ニネベ」です。イスラエルの強大な敵であるアッシリヤ帝国の首都。ヨナの警告を、意外にもたいへんすなおに受け入れ、悔い改めて神さまにゆるしていただいた町です。

その時代から、およそ150年がたちました。そのあいだにもアッシリヤは、どんどん領土をひろげ、国力を増していました。そしてもう誰もヨナの警告を思い出しもしなくなっていたようです。偶像礼拝。乱れた道徳。侵略した土地の人々に対しての残忍な仕打ち。やりたい放題のすさまじいありさまでした。

その頃にナホムはあらわれました。彼はきっぱりと、「神さまはお怒りである。ニネベはまもなく滅びる」と宣言しました。

主はあだを報いる者、また憤る者、…
主は怒ることおそく、力強き者、
主は罰すべき者を決してゆるされない者、

(口語訳聖書 ナホム 1:2–3)

ヨナの時にもわかりましたが、神さまは実に忍耐強い方です。これほどひどいニネベの人々でさえ、なんとか救えないものかと、あれこれ手を打っていらっしゃいます。しかし今回は、彼らが悔い改めることはありませんでした。あの強いアッシリヤの首都が、滅びる時はあっという間です。急な洪水によって町の城壁が押し流され、攻め入ってきた敵軍にやられたのでした。

☆イエスは… 細なわでむちを作って(ヨハネ 2:13–15)

最初の宮きよめ
イエスは宮であくどい商売をする人々に激しく怒られた

イエスさまも、やはり時おり、神に聞きしたがわぬ人々に、激しい怒りを見せておられます。イスラエルの首都エルサレムには、立派な神殿がありました。国中から人々が、礼拝をしにやってきました。そのため宮の中では、礼拝に必要なものを売る屋台が出ていました。ささげものにする牛や羊を売る店。ふつうのお金を神殿専用の貨幣にかえる両替屋。どの品も、持っていなければ礼拝ができません。商売人たちはそれをいいことに、それらであくどい金もうけをしていたのです。

その宮に、イエスさまは入って来られました。そして、動物たちを追い出し、両替人の金をまきちらし、その台をひっくり返されました。そして、ささげものにする鳩を売っていた者に言われました。「それをここから持って行け。わたしの父の家を商売の家としてはならない!」。その怒り、熱情の強さは、見ていた弟子たちも圧倒されるほどのものだったようです。この後イエスさまはエルサレムに滞在中ずっと、人々に神さまのことを教え、さまざまのわざを行なわれました。それを見て、多くの人々が救い主の御名を信じたと記されています。

神さまは、人間が聞きしたがわない時、ゆるされない行ないをした時には、罰せずにすますことは絶対になさいません。イエスさまは“愛”の方ですが、その愛の形の中には“怒る”も入っているのです。それは、人間が怒り狂うのとはまったくちがいます。怒ることさえも、人々の救いのために用いていらっしゃるのです。

 

ぬりえ

シェアする