(35) ハバクク書

アッシリヤ帝国はほろびました。イスラエル(南ユダ王国)はホッとしたでしょうか? とんでもない。アッシリヤを倒したバビロン帝国は、もっと恐ろしい国だったのです。

☆もしおそくなっても、それを待て(ハバクク 2:3)

南ユダ王国は、どんどん混乱していきました。じつは、アッシリヤと戦っていた時代の王様(ヨシヤ王)は、とても優秀なリーダーでした。偶像礼拝で乱れていた国を、神に立ち返らせ、りっぱに立て直していました。ところが王は、戦いの途中であっけなく戦死してしまったのです。ハバククはその頃に生きた預言者ですが、祈っても嘆いてもひどくなるばかりの状況に、彼自身も混乱し、神に叫んでいます。助けてくださらないのですか! あなたの民が苦しめられるのを、なぜだまって見ておられるのですか!!

彼は神さまからお答えを得ました。それはおどろくべきものでした。またもや神から離れ、悪と不正に陥っているユダ王国を罰するためにバビロン帝国を用いるのだとおっしゃったのです。どうして!? なぜそんなむごい方法で…! 嘆くハバククに、神さまはまた答えられました。

この幻はなお定められたときを待ち、… 
もしおそければ待っておれ。
それは必ず臨む。滞りはしない。

(口語訳聖書 ハバクク 2:3)

悪の帝国バビロンも、やがてはほろびる。そしてその先に、イスラエルのためのもうひとつのビジョンを用意してある。それが来る時を待っていなさい…。その時、ハバククは理解しました。彼は宣言します。「わたしは静かに待とう」と。

☆あなたが信じるなら、あなたは神の栄光を見る(ヨハネ11:40)

生き返ったラザロ
ラザロは生き返った 葬られてから四日もたっていたのに

さてイエスさまの時代。ベタニヤ村にマルタとマリヤ姉妹が住んでいました。イエスさまと親しかったこの姉妹の兄弟ラザロが、あるとき重い病気になってしまいました。姉妹はすぐにイエスさまに使いを送り、ラザロが病気にかかったことを伝えさせました。ところがです。それを聞いてもイエスさまは行こうとなさいません。結局出かけられたのは二日もあと。しかもその間にラザロが死んでしまったことを、わかっておられるようなのです。

たしかに、イエスさまと使徒たちがベタニヤについた時には、すでにラザロは墓に入れられて四日もたっていました。マルタとマリヤは泣いていました。イエスさま早く、一分一秒でも早く!と待っていたのでしょう。二人は「主がいてくださったら、こんなことには…!」とイエスさまにすがりつきました。イエスさまは天をあおぎ、神に祈られました。それから墓に向かって大声で呼びかけられると、なんとラザロが、生き返って出てきたのです。この“事件”をおおぜいが目撃しました。そして皆、イエスさまを信じるようになったのでした。

苦しみの中にいるとき、私たちは、早く早く助けて!と思います。こんなに祈っているのに、なんで何もしてくださらないんですか!と神に叫びます。でも、神の時こそが、もっとも良い時なのです。希望とともに、待っていましょう。

ぬりえ

シェアする