(30) アモス書

ヨエルより時代がさかのぼり、アモスは、またホセアと同じころ、BC700年代の人です。南ユダ王国の出身でありながら、ふるさとを離れ、北イスラエル王国で預言活動をしました。

☆主は群れを追っていたわたしをとり…(アモス 7:15)

農民アモス
農民だったアモスに 神の言葉がくだりました

アモスは、当時の北王国の王 ヤロブアム2世の政治のひどさ、社会のダメさを徹底的に糾弾しています。ヤロブアム王の時代は、北王国がいちばん栄えていたころで、領土もかなり広げていたのです。しかしそのせいで、人々は神さまのことを完全に忘れ、異教にとらわれ、道徳的にものすごく乱れていました。それにしても、アモスの言葉、表現のしかたは、非常に激しいです。「主は叫ぶ」「主は…焼き尽くす、踏みにじる、破壊する」もっとスゴイのもあります。気の強い性格の人だったのかもしれません。

これまで出てきた預言者たちは “預言が職業”のような、いわばプロだったのですが、アモスはちがいました。彼の言葉があまりに攻撃的なので、北王国の祭司が警告するのです。もう北で預言するのはやめろ。南へ逃げてそこでやれ。ところがそれに対しても、アモスは恐れず言い返します。自分は預言者でも、預言者の弟子でもない! 家畜を飼い、いちじく桑を栽培するただの農民だ!!

ところが主は群れに従っている所からわたしを取り、
『行って、わが民イスラエルに預言せよ』と、
主はわたしに言われた。

(口語訳聖書 アモス 7:15)

だからわたしはやって来たのだ。それを黙らせようとするあなたは、家族ともども滅ぼされるだろう!… 自分の仕事を放っても主の命令にしたがったアモスから、神さまの権威が離れることはありませんでした。

☆突然、天からの光が(使徒 9:3)

アモスだけでなく、聖書には、人間が予想もしなかったような人々が神さまの仕事に任命されるようすが、数多く描かれています。有名なキリストの十二使徒でさえそうです。リーダー格の人物は漁師。人を教え導くような職業ではありません。一人は取税人。当時の税金取りは不正をするのがあたりまえで、支配者ローマ帝国の手先! 裏切り者! という恨みも買い、ユダヤ社会では本当にきらわれていたのです。

それから、アジア/ヨーロッパに大伝道旅行をした使徒パウロ。彼はまさに、キリストの“敵”でした。使徒たちを処刑する側の人だったのです。ある日、自分でもまったく予期せぬ時に主イエスの御声を聞き、急激に180°の転向をしましたが、むろんまわりの人々は信じちゃくれません。パウロはほんとーーーに回心したらしいよ.. とわかってもらえるまで、長い年月を要したほどです。

そしてもちろん、それらの人々が、与えられた使命をなしとげるために、神さまは充分な知恵と力、必要な助け手を送ってくださいました。

神さまのご命令は、いつ、誰に、どんな内容で飛んでくるかわかりません。いつかあなたに飛んできて、「え~っ、まさか!?」と思うかもしれません。でも、それらに共通して確かなことがあります。その仕事は、とんでもなくハードワークだけど、最後には必ず成功するということです。

ぬりえ

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