(29) ヨエル書

ホセアから数えて、旧約聖書の最後までに、12の小預言書がつづきます。2番目はヨエルの書です。彼もホセアと同じく、どういった人物なのかまったくわかっていません。BC4~500年くらいの人のようです。

☆地よ。恐れるな。楽しみ喜べ。(ヨエル 2:21)

神さまはヨエルに「この世の終わり」の姿を描いて見せます。いかにもパレスチナ地方らしい光景として。空も地上もまっくらになるほどのイナゴの大群がおしよせ、すべての草木を食いつくす。日本人にはイメージしにくいですが、日本で言うと、大地震や大洪水で国が壊滅する…ようなものでしょうか。旧約の時代には、これを「イスラエルが敵に滅ぼされる」の意味ととらえた人もいたようですが、イエスさまが来られてからは、そうではないことがはっきりしています。救い主イエスは、敵に打ち負かされたユダヤ民族が、やがて大帝国を地上に築く!というイスラエルの願いを実現するために来られたわけではなかったからです。

表現のしかたはパレスチナ風であったとしても、この世の終わりがたいへん無残な様子であることは想像がつきます。それは「全能者からの破壊」の日(ヨエル 1:15)です。しかし、その凄まじい啓示を与えられてなお、預言者ヨエルが人々に訴える“終わりの日への対処法”は、やはりたったひとつなのです。「神に立ち返れ!」そうすれば、終末の先の未来に、神のゆたかな祝福があると彼は言います。

地よ恐るな、喜び楽しめ、…
荒野の牧草はもえいで、木はその実を結び、
いちじくの木とぶどうの木とは豊かに実る。

(口語訳聖書 ヨエル 2:21–22)

☆いつも油断せずに祈っていなさい(ルカ 21:36)

大地よ 喜べ
この世の終わりはやってくる しかし神に立ち返るならば…

最近は、地球温暖化とか環境破壊とか、イスラエルだの日本だの言ってるどころか、全人類の生存が危機を迎えつつあるということがわかってきていますね。そうして人類は自滅するのか? あるいは巨大な地震が起きてすべてが崩れ去るのか? いや、宇宙から隕石が飛んできて地球が爆発するのか!? 学者たちは必死に研究しているし、いわゆる“予言者”たちもあれこれ予言しています。が、そのどれが正解で、それがいつ起こるのかは、人間には誰にもわかりません。イエスさまがそうおっしゃっているからです。

ただ、こうもおっしゃっています。「その日」が来たら、それは誰にでも絶対わかる、と。その日には、誰が見ても「あ、イエスさまがふたたび来られたのだ!」とわかる、と。その時になってからあわてないよう、いつでも準備をしておきなさい。私のことばを信じ、守って、生活していなさい…。そのとおりにしているなら、「恐るべき日」は、じつは「喜びとともに待ち望む日」でもあるのです。いつか終わってしまう世界から、永遠に神さまといられる場所に移る日だからです。おお! まさに「どんと来い終末!!」

その時に何が起こるか、自分がどうなるかを知っていることは、人間にとってもっとも重要なことです。人生を楽しみ、生きる目的を理解し、毎日やるべきことをやれるようになります。

ぬりえ

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