(37) ハガイ書

預言者ハガイは、イスラエルの民が捕われて行った先のバビロンで生まれたという説と、いやバビロン帝国に破壊された元の神殿を見ているはずだという説とがあるようです。

☆宮を建てよ。(ハガイ 1:8)

バビロン帝国をやぶったペルシヤの王は、イスラエルが国に帰ることを許してくれました。帰国第一団のリーダーはゼルバベル総督。彼が故国に戻ってまず行なったことは、やはり神殿の再建でした。バビロン軍にめちゃくちゃに壊されてから約50年、ずっとそのままになっていたからです。

しかしその間、そこには当然ながら、他の民族が住んでいました。彼らにしてみればおもしろくなかったのでしょう。あーだこーだと神殿建築を妨害してきたのです。イスラエルの民はくじけてしまい、これはきっと神さまが、まだ再建の時ではないと言っておられるのかも…と、作業を中断してしまいました。

それから15年あまりも建築はストップしたまま。人々は神殿よりも、自分たちの家や生活のために走り回っています。ところが、そうしてがんばっているわりに、暮らしはどんどん苦しくなっていくのです。そんな時に立ち上がったのがハガイでした。彼は民を激励しました。

あなたがたは、自分のなすべきことを考えるがよい。
山に登り、木を持ってきて主の家を建てよ。

(口語訳聖書 ハガイ 1:7–8)

自分たちの今の状況をよく見なさい。優先順位がまちがっているんだよ。神を第一としないから、努力が空回りする。さあ、もう一度やるのだ! ハガイによる神の言葉に勇気づけられ、人々はついに神殿を完成させたのでした。

☆どうしても必要なことは… 一つだけ(ルカ 10:42)

2回名を呼ぶのは 親愛の情がこもった呼びかけです

聖書に何度か登場するベタニヤ村のマルタとマリヤ姉妹。姉のマルタはとても働き者でした。イエスさまと使徒たちが訪れると、お迎えに出るのもおもてなしをするのも、いつもお姉さんです。その日も、イエスさまに召し上がっていただこうと、せっせと食事の用意をしていました。なのに、妹のマリヤは手伝いもせず、イエスさまのそばにすわりこんでお話に聞き入っています。マルタは疲れてしまったのでしょう、そんな妹にいらだってきました。妹にも手伝うようにおっしゃってください、とイエスさまにグチったのです。

けれどイエスさまはマルタにやさしく呼びかけ、こう答えられました。
マルタ、マルタ。あなたはいろいろなことを心配して、気を使っている。でも必要なことは、ひとつだけなのだ。そして今マリヤはそっちを選んでいるのです…。

一生懸命やっているのにうまくいかない、うまくいかないことにイライラしてしまう時が、誰にでもあるでしょう? そんな時はどうすればいいか。優先順位の見直し、つけ直しをしなさい、とイエスさまは教えてくださったのです。良い結果を出したい、出さなくては!という気持ちを手放して、それを神さまにおゆだねしてしまいましょう。神さまは、あなたのがんばりをよくわかっていらっしゃいます。最高の結果を用意して待っていらっしゃいます。

ぬりえ

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