過越の食事が済むと、イエスは弟子たちに最後の教えを語られました。すでにイスカリオテのユダは出て行ってしまっており、弟子たちは11人になっています。
☆あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。(ヨハネ 14:2)
イエスはやはり最も大切な戒めを教えます。互いに愛し合いなさい。私がそうしたように、あなたがたも愛し合いなさい。私はもうしばらくすると行ってしまうから…
それを聞いて、弟子たちは不安にかられました。ペテロがあわてて聞きます。「主よ、どこに!?」。私が行く所に、あなたは今はついて来られない…と答えるイエス。なぜですか! あなたのためには命も捨てます! いきりたつペテロに、イエスは静かに言われました。今夜、鶏が二度鳴く前に、あなたは三度、私を知らないと言うでしょう…
他の弟子たちも口々に「そんなこと、死んでも申しませんっ」と言い張ります。イエスはもちろん、彼らが動揺していることをわかっておられ、こうおっしゃいました。神と私を信じ、待っていなさい。父の家には住まいがたくさんあります。私はあなたがたのために場所を用意しに行くのです。準備ができたら、あなたがたを迎えに来ます。
「住まい」とは「永遠の命」のことでした。が、この時はまだ弟子たちには何のことやらわかりませんでした。でも大丈夫。私を信じなさい。不安になったら、私がしてきたことを思い出して、信じていなさい。私を通してでなければ、誰も神の元には行かれません。私は道。真理。私自身が永遠の命なのです…
この宣言は人間にとって最上の希望です。人生は、“死んで終わり”ではないのです!
☆父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。(ヨハネ 14:16)
イエスはもちろん、ただ弟子たちを置いて去ってしまうわけではないと力強くおっしゃいました。代わりの方が来られるというのです。
「父は別に助け主を送って、
いつまでもあなたがたと共におらせて下さるであろう。
それは真理の御霊である。」(口語訳聖書 ヨハネ 14:16-17)
真理の御霊とは、聖霊なる神のことです。神と御子と聖霊はそれぞれ別々の方なのですが、まったく同じ力を持っていらっしゃいます。人の姿をしたイエスは見えなくなってしまいますが、そうしたら聖霊が遣わされて来る。その方は、弟子たち、そして私たち一人一人のうちに住まわれ、すべてのことを教え、導いてくださるというのです。
弟子たちは、その時は「別の助け主って何だ!?」という思いだったでしょう。一度いなくなるけれど、また戻って来る…の意味もわかりませんでした。しかしイエスは当然そのくらい見越しておられました。これは、前もって言っておくのだからね。そのことが目の前で現実になった時、あなたがたが信じることができるようにね…
言っておいてくださって良かった。のちにヨハネはこのイエスのお言葉を明確に思い出し、書き留めることができたのです。おかげで私たちも聖霊の力を知りました。イエスは言われます。あなたがたは私よりも大きなわざをするようになります。恐れずに、さあ世界に出て行きなさい!