キリストのお生まれは、700年ほども前から預言されていました。そして、その前にはある人物があらわれ、人々にキリストを迎える準備をさせる、と。
☆彼こそ、エリヤの霊と力で主の前ぶれをし(ルカ 1:17)
その人物とは、バプテスマのヨハネです。ヨハネの父ザカリヤは祭司、母エリサベツも神に従う正しい人でしたが、子供が生まれないまま、二人ともすでに年をとっていました。
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ある日ザカリヤは、神殿で祭司のつとめをしていました。すると突然、彼の前に主の使いがあらわれたのです。おびえる彼に、御使いはよびかけます。こわがることはない。あなたの妻は男の子を産む。その子は、主の前ぶれをし、準備のできた民を主のために用意する…。
ザカリヤは、子供が生まれるとは考えられないくらいおじいちゃんでした。祭司であるにもかかわらず、御使いの言葉をうたがってしまったようです。そのため彼は、子供が生まれるまで、神さまによって口がきけなくされました。しかし、それで神さまはザカリヤを用いる計画をやめられたりはしません。やがてエリサベツは本当にみごもり、お告げのとおり男の子を産みました。ザカリヤが今度こそ御使いの言葉を信じ「彼の名はヨハネ」と板に書くと、しゃべれなくなっていた彼の口が開き、神を賛美し始めました。そして聖霊に満たされ、預言したのです。
幼子よ、あなたは、いと高き者の預言者と呼ばれるであろう。
主のみまえに先立って行き、その道を備え、
罪のゆるしによる救を
その民に知らせるのであるから。(口語訳聖書 ルカ 1:76–77)
☆私の主の母が私のところに来られるとは(ルカ 1:43)
神さまは、何かご計画をお持ちのとき、このように「前ぶれ」を用意なさいます。大きなできごとが起きる前に、人間に準備をさせるためです。キリストが来られる前にヨハネを遣わす。ヨハネが生まれる前にザカリヤに御使いを送る。そしてこのザカリヤに起きたことは、エリサベツの親類のある少女にとっても、重要な前ぶれとなりました。「あなたは“神の御子”を産む」とやはり御使いに告げられたマリヤです。
未婚で出産したら、当時のユダヤでは、ヘタをすれば死刑でした。14〜5歳の少女にとって、こんな恐ろしい話があるでしょうか。とまどうマリヤに、御使いは言いました。「あなたの親類エリサベツも、あの年でみごもった。神にとって不可能なことは、ひとつもない。」
マリヤはこの言葉によって勇気を奮い起こしたようです。急いでエリサベツに会いに出かけました。家につき、あいさつすると、エリサベツはすぐに反応しました。わが救い主のお母さまが来られた! おなかの子が喜びおどっている! この時マリヤは、自分の身に起こったことは、神のご意志によるものだと確信しました。力ある方がわたしに偉大なことをなさいました、と彼女は力強く賛美しています。[1]
予想もつかないおどろくべきできごとが、人生には時々起こります。でも、それに正しく対処できるよう、神さまはあなたに、前もって何かを伝えておられるのです。ぼんやり見逃さないように。その何かによって、あなたはこれから起こるできごとの本当の意味を知ることができます。
参考
[1] ハーベスト・タイム・ミニストリーズ「イエスの生涯から学ぶ〜ルカの福音書1」