(4) エルサレムの宮にて

イエスさまは、赤ちゃんの時から、ふつうのイスラエルの子供たちとまったく同じように、主の律法(神さまからモーセに授けられた定め)とともに歩まれました。

☆私の目があなたの御救いを見たからです(ルカ 2:30)

ヨセフとマリヤは、本当に神さまの定めを大切に守る正しい人たちだったようです。律法に従い、生後8日めの割礼の日に、幼子に正式にイエスと名付けました(創世記 17:12,レビ 12:3)。

聖家族
赤ちゃんはイエスという名で呼ばれることになりました

その後「きよめの期間(男の子を産んだ場合は生後40日間)」を終えると、二人はイエスをつれて、エルサレムの宮に行きました。

《[Herod’s Temple](ヘロデの神殿)で画像検索》

これも律法に「初めて生まれた男の子は、神に献げなければならない」(出エジプト 13:2,13:12)とあったからです。その時には、出産をした人はそなえものを持っていくという決まりもありました。そなえものは羊と定められていましたが、羊が買えない人は2羽のハトを代わりにしてもよい、などと決まっていました(レビ 12:8,5:11)。ヨセフとマリヤは、ハトのかごを持って宮に入っていきました。

その時、ある人が御霊に導かれて、やはり宮に入ってきたのです。名前はシメオン。もうおじいさんだったと思われます。深い信仰を持ち、救い主の誕生を待ち望んでいる人でした。そして、キリストを見るまでは決して死なないと、聖霊のお告げを受けていました。シメオンは親子に近づくと、幼子を抱きとり、神をほめたたえました。

シメオン
イエスを抱き シメオンは神をほめたたえました

主よ、今こそ、あなたはみ言葉のとおりに
この僕(しもべ)を安らかに去らせてくださいます、
わたしの目が今あなたの救を見たのですから。

(口語訳聖書 ルカ 2:29–30)

☆母はこれらのことをみな、心に留めておいた(ルカ 2:51)

シメオンは、続けてマリヤに言いました。やがて、あなたの心を刺し貫くできごとが起こる…。これらの言葉に、両親はおどろきました。御使いに告げられていたとは言え、人間である二人が、神の子のことをすべて理解できていたわけではないからです。しかし、マリヤは聡明な女性でした。この後も、息子イエスの言動の意味がわからないということがしばしば起きるのですが、彼女はわからないながらも、ともかくそれらのことを「心に留めておく」という対応をする人だったようです。シメオンの言葉も、きっと忘れずにいたでしょう。三十数年後、それらは現実となりました。マリヤは、罪のないわが子が最も残酷な方法で処刑されるのを見なければならなかったのです。母親にとって、これほど意味の理解できないつらいできごともなかったにちがいありません。

けれどマリヤに、心に留めておいたことへの答えが与えられる日が、ついにやってきました。イエスがよみがえってあらわれたのです。

信じる者になりなさい
復活の主の手には釘の跡 額にはいばらの棘の跡

その姿こそ、神さまからのお答え。イエスこそまことの神の御子! 復活の日ののち、マリヤは、息子たち(イエスのこの世での弟たち)や主の十二使徒たちとともに、心を合わせて祈っていたと書かれてあります。

理解できないこと、つらいことが起こっても、マリヤのようにそのまま心にしまっておきましょう。そしていつか神さまがお答えをくださる日まで、待っていましょう。

ぬりえ

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