(31) サタンを追い出せる者は誰か

イエスのものすごいお力を見て、人々は驚嘆し、讃えます。いらだつパリサイ派の律法学者たちの反対論はもう、しっちゃかめっちゃかなへりくつになっていきました。

☆悪霊どものかしらによって、悪霊どもを追い出しているのだ(マルコ 3:22)

そのときもイエスは、目が見えず、口もきけない人を、群衆の目の前でいやされました。人々はみな、この方こそダビデの子=救い主じゃないか!? と言い合っています。

それを聞いていたパリサイ人[1]たちは、腹立ち紛れにこんなことを言い出しました。やつ自身が悪霊にとりつかれているからだ! 悪霊の力によって悪霊を追い出しているんだ!!…って、なんかヘンな話(^_^; 彼らもそれだけ追いつめられていたのでしょうね。支持率急落状態ですからね。

しかしイエスは彼らをそばに呼ぶと、わかりやすいたとえを用いて教え始められました。
どんな国でも、あるいは家でも、内輪もめしていれば立ち行かなくなるでしょう。サタン(悪霊)の集団でも同じことです。仲間割れしてたら、人にとりついてるどころじゃないでしょう? 私が悪霊を追い出すことができるのは、悪霊よりも強い力=神の御霊によっているからですよ…

主にだけ仕えよ
サタンを追い出すことができるのは サタンではなく神の御霊です

たしかに。イエスの起こされたさまざまの奇跡やいやしは、イエスが悪霊を打ち砕く力を持っておられることを示しています。人間が悪霊に勝利することはできませんが、イエスさまとくっついていれば、イエスさまに守っていただけるのですね

☆聖霊に逆らうことを言う者は、…だれであっても、赦されません(マタイ 12:32)

そしてこのあとイエスは、なかなかショッキングに聞こえることをおっしゃいました。

よく言い聞かせておくが、
人の子らには、その犯すすべての罪も神をけがす言葉も、ゆるされる。
しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、
永遠に罪の責めを負う。

(口語訳聖書 マルコ 3:28–29)

「悪いことをしても、神を罵倒してもいいが、聖霊にさからったやつは地獄に落ちる…」って言われてるみたい…。
ただこのお言葉は、その場では、パリサイ人たちに向けられていたことを考えなくてはなりません。彼らは誰よりも聖書=神の預言をよく知り、イエスが聖書に記されたとおりの方であることを日々目撃していながら、保身のために神の聖霊を「悪魔!」と呼んだのです。

でもイエスのことをよく知らないでいる日本人にとっては、この言葉は救いです。神さまのことを知らない時にやってしまった悪事、神さまをイエスさまをバカにしたことも、ちゃんと悔い改めさえすれば、全部赦していただけるんですから。

たとえば、神さまは「不完全なこの世」という海に浮かぶ巨大な船のオーナーです。イエスはその船を、オーナーの指示どおりに操船します。そして、海面でおぼれそうになっている私たちの前に、聖霊という救命具が次々に投げ込まれるのです。この救命具は本当に船につながっているのか? 絶対に助けてもらえるのか? 船の中は安全なのか?… 疑ってしまってもしようがない。おぼれて苦しくて、助けてくれようという相手にわめきちらしてしまっても、あとで赦される日は来るでしょう。しかしわれわれは、救命具を払いのけてしまったら、もう助からないのです。

参考

[1] パリサイ人について
ブリッジス・フォー・ピース・ジャパン 〜知る・学ぶ〜ティーチングレター〜バックナンバー「パリサイ人 -モーセの座を占めていた人々-」Part-1/Part-2

ぬりえ

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