(29) 百人隊長のしもべをいやす

イエスの時代、イスラエルは大ローマ帝国に支配されていました。ローマ軍の兵士など、みんな敵だったのです。しかし、そんなローマ兵の中にまでイエスを信じる人が…

☆わたしは…、このような信仰を見たことがありません(マタイ 8:10)

《二筆で描けるイスラエルの地図》

map-カペナウム
カペナウム(新共同訳表記ではカファルナウム)の位置

あるときイエスが、使徒たちとともにカペナウムの町[1]に行かれると、一人のローマ兵がすがりついてきました。

《[Roman centurion](ローマ兵 百人隊長)で画像検索》

兵と言っても、彼は百人隊長(百人の兵士を束ねるボス)、身分も地位も高い人です。実際彼は、ユダヤの人々のために会堂(礼拝する場所、今で言う教会堂)を建ててくれた人物のようで、かなりのお金持ちですね。

その百人隊長は心のやさしい人でした。イエスのもとに飛んで来たのは、自分のしもべ(召し使い)が病気で苦しんでいるのを治していただきたいと思ったからなのです。こんな人なら、ローマ兵と言えども、多くのユダヤ人に愛されていました。イエスもご存じだったかもしれません。すぐに彼にお答えになりました。「行って、直してあげよう」

《ペープサート「イエス」を使う》

ペープサート「イエス」
切り抜いて厚紙に貼り、裏に棒をつける

しかし彼は、イエスも驚かれるようなことを言いました。

主よ、わたしの屋根の下にあなたをお入れする資格は、
わたしにはございません。
ただ、お言葉を下さい。
そうすれば僕はなおります。

(口語訳聖書 マタイ 8:8)

私にでさえ部下がいて、命令どおりに動きます、私はあなたにつき従う部下に過ぎない者です…。彼の言葉を聞くとイエスは、ついてきていた群衆に言いました。「どのユダヤ人よりもりっぱな信仰です」と。そして彼の望みどおりおことばだけで、しもべをいやしてくださったのでした。

ユダヤ人より外国人がほめられた! 日本人もイスラエルから見たら外国人だから、日本人のがりっぱなんだ〜!と考えるのはもちろん単純すぎ(^_^; 大事なのは人種国籍ではなく、イエスさまを信じてひざまずく態度ですよ。

☆主はその母親を見てかわいそうに想い、「泣かなくてもよい。」と言われた(ルカ 7:13)

その証拠に、イエスはこのあとに行かれたナインという町で、今度はユダヤ人の老いた母親に、これまでで一番のスゴいことをしてあげています。母一人子一人で暮らしてきたこのお母さんの息子が死んでしまったのです。本当につらかったのでしょう、町の人たちがみんなでなぐさめても、お母さんは泣いて泣いて、泣き続けていました。イエスはかわいそうに思い、彼女に言われました。「泣かなくていい…」そして息子が納められているひつぎに近づくと「青年よ。起きなさい」。すると!なんと!生き返った…

病気を治すどころか、死人を生き返らせるなんてっっ!!!! にわかには信じがたいことですが、このできごとも、町の人々やついて来ていた人たち、大群衆が目撃しました。彼らは神を恐れ、また讃え、イエスのうわさはイスラエルからあふれ出て、まわりの国々にまで広まっていきました。

これらの話から、イエスはユダヤ人だけでなく、全世界の人を救うために来られたことがわかります。日本人である私たち一人一人をも救いたいと願っておられます。全員「病気を治してくださる」「生き返らせてくださる」という意味ではありません。百人隊長のしもべも、生き返った息子も、やがては死にました。ただ、イエスを信じるなら人間は“死んで終わり”ではない。新しいからだでよみがえらせていただけるのです。それがイエスによる救いです。

すべてを新しくする方
新しいからだをありがとうございます イエスさま!

参考

[1] カペナウムは7世紀に廃墟となりましたが、その後遺跡が発掘されました。
Capharnaum THE TOWN OF JESUS

ぬりえ

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