(12) ニコデモとの対話

神殿での宮きよめのあと、イエスさまがなさった多くのしるしを見て、人々は救い主と信じるようになりました。庶民だけでなく、中にはユダヤ議員の長老もいました。

☆人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません(ヨハネ 3:3)

その長老が、ある夜イエスのもとにやってきたのです。彼の名はニコデモ。長老というのは、とても地位の高い人です。ユダヤの宗教議会の議員であり、民の指導者。もちろん家柄は立派で、高等教育を受けています。年齢もかなり高かったでしょうね。そんな人物が、自分よりずっと若い、高等学校にも行っていないはずの若者のところに、教えを受けに来たのです。その若者を “先生”と、“神のもとから来られた方”と呼んで。

ニコデモ
長老ニコデモが教えを受けにやってきました

しかしそのようなえらい人でさえ、神さまのこと、神の国のことを、正しく理解できてはいませんでした。彼は、自分が歩んで来た道の先に、神の国があると思っていました。つまり自分は神の国に入れると信じていました。でもイエスは彼にお教えになりました。誰でも、どんな立場の人でも、神さまのお力によって新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません、と。

ニコデモはショックを受けたようです。しかしそれでも、イエスを“神により遣わされた救い主”メシヤであると思う気持ちは消え去りませんでした。彼はのちに、イエスを捕えようとする議員や祭司長たちに対し、やり方が間違っていると発言しています。また、使徒たちでさえもが逃げ出した中を、十字架のイエスのもとにかけつけ、その葬りのために力を尽くしました。

☆御子を信じる者が、…永遠の命を持つためである(ヨハネ 3:16)

このニコデモとのやりとりのすぐあとに、聖書の中でもっとも有名な、もっとも重要な聖句が出てきます。英語では「John 3:16」(ジョン スリー・シックスティーン)と呼ばれます。

神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。
それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、
永遠の命を得るためである。

(口語訳聖書 ヨハネ 3:16)

神さまは、パーフェクトなデザインでこの世界をお創りになりました。そして人間には、ご自分と同じように「心」をお与えになりました。心が神さまの方を向いていれば良かったのですが、最初の人アダムが失敗しました。神さまに背を向けてしまったのです。それから人間の体は、病気やケガをし、短い間に滅びるようになってしまいました。

でも神さまは、私たちひとりひとりを、本当に愛しておられました。ご自分のひとり子に死刑の苦しみを味わわせてでも助け出したいほど愛していらっしゃるのです。

私の子を信じなさい… イエスの力を信じて彼についてきなさい… そうすればまた、私が初めてあなたたちを創った時と同じように、あなたたちは永遠の命を持つことができる…。

日本人は「永遠の命」と聞くと、“不死身になる”とか、“死んでから天国に行って暮らす”とかをイメージする人が多いですが、そうではありません。滅びる体とともにいても、生きている間にも、永遠の命を持てるということなのです。体はどんどん滅んでいくのに、魂は生き生きとしていることを感じられるようになるのです。

ぬりえ

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