(66) 終わりの日

イエスさまにとってはこの世で最後となる過越の祭り。そこにはユダヤ人でない人々も祝いに来ていたようです。その中の数人のギリシャ人が「イエスに会いたい」と…

☆一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。(ヨハネ 12:24)

異邦人は神殿の外庭までしか入れない決まりです。祭司と話すこともできません。彼らはイエスの弟子たちに頼みました。ピリポがアンデレと相談し、彼らをイエスのもとに連れて来ました。やって来た異邦人を見て、イエスは言われます。「人の子が栄光を受ける時が来ました。」

《[Herod’s Temple](ヘロデの神殿)で画像検索》

弟子たちは、いよいよ先生が王として立たれるのか!と色めき立ったかもしれません。しかしイエスはそんな弟子たちの期待をひっくり返すような言葉を続けられました。「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。」

私に仕えたいなら、私と同じようにするのです。人のために自分の命をささげなさい。神はそんなあなたに報いて、永遠の命をくださるでしょう…。このあと「父よ。栄光を現してください!」というイエスの呼びかけに、天上から「現そう!」という大声が聞こえたとあります。群衆は、雷だっ、いや御使いの声だっ!と大騒ぎになったようです。が、それほどのしるしを見ても、人々は「キリストなのに、“死ぬ”ってなに!?」と、理解もできず、信じようともしませんでした。

イエスは、「他人のために死になさい」とおっしゃったのではありません。あなたの命とは、あなたの持っている能力と時間のことです。それを使って、あなたを必要としている誰かを助けなさいと言われたのです。

☆目をさまし、注意していなさい。(マルコ 13:33)

かしこい娘 おろかな娘
ふだんからの準備が大切! 危機管理能力の向上!

それからイエスが神殿を出て行かれようとした時、弟子たちが口々に、神殿の立派さをほめたたえました。ところがイエスのお答は「この神殿も、やがて破壊される日が来るのですよ」…。弟子たちは声をひそめてイエスに問います。いつですか?そんなことが起こる前には、何か予兆があるのですか?…

あります。暴動、戦争、疫病、飢饉、大地震。そしてあなたがたは凄まじい迫害を受けます。捕えられ、権力者の前に引きずり出される。そこで、福音を証ししなさい。それから全世界に伝えられ、そのあと終わりの日が来るのです…。にせ預言者が何人も現れ、人々を惑わす。あわてないように。やがて世は闇に覆われるが、その時私が輝かしい栄光とともに再び来る。誰にでもはっきりとわかる姿で!

しかしそれがいつなのかは、神さましかご存じないというのです。御子にさえ知らされていない、と。イエスは警告なさいます。

「だから、目をさましていなさい。
その日その時が、あなたがたにはわからないからである。」

(口語訳聖書 マタイ 25:13)

花嫁とともに花婿を出迎えるのに、賢い娘たちは夜になっても大丈夫なように、ともしびの油を準備しておく。おろかな娘たちは何の用意もせず、花婿が来る頃にはもう、ともしびが消えてしまっている…。賢い娘たちは結婚式の祝宴に行くが、おろかな娘たちは間に合わず、戸が閉められる。

ともしびの油を切らさないようにしていましょう。難しくないです。毎日、心の思いを神さまに打ち明け、お力をいただいていれば、油切れは起きませんよ。[1]

(タラントのたとえ[2]

参考

[1] 「神に祈るとは」

[2] 福音書記者マタイは、この「かしこい娘 おろかな娘」のすぐあとに、同じく天の御国のたとえとして、イエスが「タラントのたとえ」を用いられたことを記しています。
劇台本『タラントのたとえ』

ぬりえ

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