主イエスは、よみがえりの姿を何度も何度も、弟子たちに現してくださいました。十字架刑のあと、40日にも渡って、神の国のことを語ってくださいました。そして…
☆あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。（マタイ 28:19）
その日、十一人の弟子たちは、イエスに指示された山に登りました。そこにも主イエスは現れてくださいました。そこで弟子たちにおっしゃったのは、本当に重大な命令でした。全世界に出て行き、すべての人々に福音を述べ伝えなさい… そして、父と子と聖霊の御名によってバプテスマを授け、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るよう教えなさい… 信じる者は救われるが、信じない者は罪に定められる。信じる人々は、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、毒を飲んでも害を受けず、病人をいやすこともできるでしょう…
ついこの間まで、逮捕されることを恐れてびくびく逃げ隠れたり、使徒になる前の漁師の仕事をやってみたりしていた者たちです。そんな大変な働きがいきなりできるものでしょうか？ しかしイエスはそんな彼らの不安だって、とっくにご存じです。力強いおことばをちゃんと授けてくださいました。「わたしには天においても、地においてもいっさいの権威が与えられています。」「見よ。わたしは世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
☆主イエスは、…天に上げられ、神の右の座に着かれた。（マルコ 16:19）
「世の終わりまでいつもともにいる」というのは、これからはよみがえりの体でずっと一緒に暮らしてくださる…という意味ではありませんでした。父なる神さまが、子なるイエスの代わりに、助け主「聖霊」を送ってくださる… それは確かに以前からイエスが教えてくださっていた神さまのお約束です。イエスはあらためておっしゃいました。その聖霊があなたがたのところに来られるまで、エルサレムを離れずに待っていなさい… 聖霊によってあなたがたは力を受け、エルサレム、ユダヤやサマリア、そして地の果てまで、わたしの証人となります…
そのおことばを最後に残し、イエスは弟子たちが見ている前で天に上って行かれ、やがて雲に包まれて見えなくなってしまいました。呆然と見上げていた弟子たちがハッと気づくと、そばに白い衣を着た二人の人が立っています。おそらくは御使いだったのでしょう。彼らは言いました。イエスは今と同じありさまで、またおいでになります…と。
おことばの通りエルサレムで待っていた弟子たちのところに、お約束の通り聖霊が来てくださいました。その時、あのびくびく逃げ隠れしていた弟子たちは一変しました。態度もことばも、話し方にさえ、力がみなぎっています。主イエスは確かによみがえられた。われわれは見たのだ。もう誰が何と言おうと、たとえ迫害されようと、われわれはそのことを宣べ伝えずにはいられない。そしてその主を信じてついて行くなら、あなたも同じようによみがえるのです。永遠のいのちが与えられるのです…！
弟子たちは出て行って、至る所で福音を宣べ伝えた。
主も彼らと共に働き、御言に伴うしるしをもって、
その確かなことをお示しになった。（口語訳聖書 マルコ 16:20）
参考
[2] 「キリストの昇天」を描いた画家たち
「Ascension（1304–1306）」Giotto di Bondone
「The Ascension of Christ（1897）」Fritz von Uhde 他多数