(45) だれが一番偉いか

イエスさまは大活躍の大人気。弟子たちは鼻高々です! なのにやっぱりイエスさまは、おかしなことをおっしゃるのです…「私は、今に彼らに殺される」。………。

☆世の王たちはだれから税や貢を取り立てますか。(マタイ 17:25)

今の時代に聖書を読んでいる私たちには、イエスの発言が「これから実際に起きることを予言している」ものだとわかりますが、その時の弟子たちにはまったく意味不明でした。なんでそんなふうにお考えになるのか…と悲しみ、と言って、どうしてそんなことをおっしゃるんですか?…とは、こわくてだれも聞けませんでした。

そんなある日、一行がカペナウムに戻ると、宮の納入金=神殿税を集める人たちが、ペテロの家にやって来て言いました。あなたがたの先生は、神殿税を納めないんですか! 相変わらず“考えずに口走ってしまう”ペテロ、「納めます!」と答えてしまいます。が、おそらく(とか言っちゃったけど、大丈夫かなあ…)と心配しいしい家に入っていったのでしょう。イエスの方から声をかけてくださいました。
「シモン(ペテロのこと)、世の王たちは誰から税を取り立てますか。自分の子供たち? それともほかの人たちから?」
ペテロが答えます。
「ほかの人たちからです」。

するとイエスは…
「王子たちには納税義務はありませんね。しかし、彼らをつまずかせないために… 湖に行って釣りをし、釣れた魚の口をあけてみなさい。銀貨一枚が見つかるから、それを私とあなたの分として納めなさい。」

神の子であるイエスは、父王の家=神殿を維持するための税を納める立場の方ではありません。が、人の姿でこの世に降りて来られた方は、まだ何もわかっていない人々を戸惑わせないよう、人間としての義務も果たしてくださったのでした。

☆天の御国では、だれが一番偉いのでしょうか。(マタイ 18:1)

イエスさまに抱かれて(男の子)
子どものように自分を低くする者が 天の御国では一番偉い人

しかし、そんな師の言動の本当の意味は、やはり弟子たちには理解できていませんでした。王子は王に納税しない… やっぱりイエスさまは、ご自分が「神の王子」だっておっしゃっているんだ!! 王子! 王国! …ってことは、オレたちは大臣か!? うひゃ〜! 首相は誰だ! 俺か? おまえじゃないだろ〜、そりゃペテロじゃないか? 財務大臣はユダか… 外務はアンデレとかピリポとか… 誰が一番偉い役職につくのかなあ!!

そんなことを言い合っている彼らに、イエスは一人の子供を腕の中に抱き寄せると、こう言われました。

心をいれかえて幼な子のようにならなければ、
天国にはいることはできないであろう。
この幼な子のように自分を低くする者が、
天国でいちばん偉いのである。

(口語訳聖書 マタイ 18:3–4)

幼い子供は、自分が一人では生きられないことを知っています。だから、信頼できる大人の力にすがります。それと同じように、あなたがたも自分の力や地位に頼るのではなく、すなおに神の力にすがって生きなさい、とイエスはおっしゃったのです。そのように、神の御力の前にへりくだることのできる人が、一番偉い人です… 皆の先に立ちたいのなら、自分を後回しにし、人々に仕えなさい…

当時のユダヤの社会では、男性が高い地位につくのは最も名誉なこと。逆に子供は、価値の低い者、頭数にも入らない者でした。弟子たちは、そういう根本的な考え方から改められていく必要があったのです。

ぬりえ

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