(5) 東方の博士

イエスさまがお生まれになったその晩、まず最初に主を拝みにやってきたのは貧しい羊飼いたちでした。さて、次に幼いイエスさまのもとを訪れたのは…

☆私たちは東のほうでその方の星を見たので(マタイ 2:2)

羊飼いたちがやって来たとき、赤ちゃんのイエスさまがおられたのは宿屋でさえなく、家畜のエサおけの中でした。しかしその後、同じベツレヘムの町で、ヨセフとマリヤは滞在する家を見つけることができたようです。生後40日の宮参りのためにエルサレムに上ったりはしていますが、イエス1〜2歳頃はベツレヘムで暮らしていたと思われます。

博士たちの礼拝
赤ちゃんのイエスさまを礼拝しに博士たちがやってきました

その家に、今度はたいへんきらびやかな一団がやってきました。彼らはユダヤの東にある国の学者たちでした。クリスマスの聖画ではよく博士が3人だけでそれぞれらくだに乗り、月..じゃなく星の砂漠をトボトボと(笑)という光景に描かれていますが、聖書によればちがいます。人数は書かれていないし、博士たちだけで来たはずもありません。彼らは大金持ちです。非常に高価な贈り物をたずさえて、何ヶ月かの旅をしています。ユダヤに着いてからも、まず首都エルサレムの王宮を訪れ、王(当時のユダヤ王ヘロデ)に謁見しています。エルサレム市内にもまたたく間に彼らのウワサは広まった模様です。少なくとも100人やそこらはお供をしたがえた大キャラバンだったと考えられています。

☆見よ、東方で見た星が彼らを先導し(マタイ 2:9)

博士たちの物語は、じつに不思議に満ちています。ユダヤ(イスラエル)というのは弱小国です。「東方の国」がどこを指すのかわかっていませんが、ユダヤよりは大国だった可能性のあるその国の、しかも高い階層の学者たちが、ユダヤに王が誕生したようだと察し、はるばる旅をしているのです。

東方の博士たち
東方の博士たちは星を見つけ キリストの誕生を知りました

彼らが王の誕生を知ったのは「その方の星を見た」から。星の出現がメシヤ降誕のしるしという基礎知識を、異国の彼らは持っていたということになります。王に捧げるため用意した物は黄金、乳香、没薬。どれも貴重で、高額な品です。実際、彼らはユダヤに着くと、とりあえず王宮を訪ねています。

《[Herod’s palace](ヘロデの王宮)で画像検索》

博士たちの来訪
博士たちはまずヘロデ大王の王宮を訪れました

しかしそこにイエスさまはおられなかったので、さらにベツレヘムまで進み、幼子を発見しました。その時のようすはこう書かれています。

見よ、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、
幼な子のいる所まで行き、その上にとどまった。
彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた。

(口語訳聖書 マタイ 2:9–10)

ベツレヘムの星
東方で見た星が イエスのおられる所にとどまりました

ふつうの家で、王でもない大工の父親と、王妃でもない若い母親に抱かれた幼児を見て喜び、最高級の贈り物を捧げ、ひれ伏して拝んでいるのです。つまり彼らは、その子が自分たちの探していた王にまちがいないと確信したわけです。

西に向かって動いた星とはなんだったのか、なぜ博士たちはつつましい一家の幼子を救い主だと認識できたのか。研究は続けられていますが、神のなさった不思議を正確に解明することはできないでしょう。このできごとから学べるのは、遠い外国にもキリスト降誕が知らされたこと、外国人も救い主のもとに導かれたということです。私たちも、神さまからのお知らせを見逃さず、お導きに従って進んで行きましょう。

ぬりえ

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