降誕劇用衣装の型紙見本です。天使のみ袖の形が少し違いますが、その他「人間」は全員同じ型。前身頃と後ろ身頃を切り出して縫い合わせるだけの超シンプルなパターンです。襟ぐりは、洋裁のできる方はバイアステープを利用するときれいに仕上がるでしょう。
サイズは身長120㎝を想定しています。必要に応じて加減してください。ただ、服の上からすっぽりかぶれるようユトリを持たせてあるので、結構な身長差体格差もカバーできると思います。衣装の方が大きいようならベルトを締めて調整すればOK。
型紙
見本に実物の写真を載せておきます。
服の素材はすべて裏地用の生地です。安価(メーター300円くらい)で、多色が揃い、しかも光沢があるので衣装っぽい。服の上から脱ぎ着するのにも、スベスベしているので簡単です。最近のものは洗濯してもアイロン要らず。おすすめです。
† 天使
天使には羽は付けてありません。“この世の者ではない”感を出すため、袖は“たもと”風にし、右肩に透ける素材でドレープを付けました。“告知”の時に右手を上げるとさらさらと動きます。右肩を縫う時、バランス良くひだを作って、一緒に縫い込みます。ドレープを垂らすのは、うしろ(背中側)でもいいと思います。
† マリヤ
ベールは楕円形の、いわゆる「マリアベール」。ヘアピンで髪に直接止めます。
† ヨセフ
ベストは、脱げやすいようなら、羽織のようにウエストに適当なひもを縫い付けてください。
† 羊飼い
羊飼いだけは、貧しい階層の人々であることを表すため、光沢の無い生地を選びました。
† 博士
逆に博士は“大金持ち”感を出すため、服のすそなどにゴールド系をあしらうといいと思います。ベルトに金糸入りのリボンを使うとか。あとはアクセサリーを利用しましょう。生徒の保護者にお願いすれば、使わなくなったブローチやブレスレットなど提供してくれるでしょう。
ターバンは日本ではなじみがありませんが、意外に簡単に巻くことができます。一枚の布を巻き付けるだけで容易に中近東らしさが演出できるスグレモノです。コツは、衣装とは逆にスベスベしていない生地=結びやすくほどけにくい生地を選ぶことです。[ターバンの巻き方]で画像検索するといくつか出てくるので探してみてください。「インド風」ではなく「中近東風」のものを選びましょう。
ターバンは簡単ですが、「黄金」「乳香」「没薬」の器には苦労させられます(^_^; 日本で買えるエスニック雑貨と言えば、まずインドあるいは東南アジアのもの。中近東系の商品はほとんどがキリム(絨毯)になってしまい、たまに雑貨を見つけてもお高かったり…(中近東の雑貨は破損しやすいものが多く、通販も難しいのだそうです)。時間をかけてペルシャ雑貨店などを探すしかありませんね。高くてとても買えませんが、たまに見事な象嵌細工の箱など見つけると、ああこういうものに大事にしまわれた品々が神の御子に捧げられたのかなあ…などと想像が膨らみます。
劇の小道具となるとある程度のサイズが必要ですが、実物はかなりコンパクトだったはずです。イエスの両親は、それらを贈られた晩に、夜陰に紛れて子連れ逃避行したわけですから。急いで荷物の底に潜ませられ、目立たぬくらいの大きさだったでしょう。そう考えると、博士の捧げ物は、まさに宝石のような価値のあるものだったということになりますね。