マリヤは、神の御子である赤ちゃんをみごもりました。婚約者のヨセフは、そのことを知ってとても悩みました。彼は、神さまの律法を守る、正しい人だったからです。
☆恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい(マタイ 1:20)
ヨセフはマリヤのことが好きで、結婚も楽しみにしていたでしょう。でも、結婚前に妊娠してしまうような女性と一緒になるのは律法違反です。“正しい人”ヨセフにはできません。と言って、結婚の約束を守れなかったとしてマリヤを訴えることもしたくありません。そうして罪が認められれば、マリヤは石打ちの刑(死刑)になるかもしれないのです。
どうすればいいのか、彼は夜中までずっと考えこんでいたようです。訴え出たりせず、ただひっそりと婚約を解消しようか…。そんなふうに思いながら、彼はいつのまにか眠りにつきました。
ところが、その彼の夢の中に、マリヤのところに現れたと同じように、主の使いが現れて言いました。
「ダビデの子ヨセフよ、
心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。
その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。」(口語訳聖書 マタイ 1:20)
その子の名をイエス(主は救い)とつけなさい。ご自分の民をその罪から救ってくださる方だからです…。めざめたヨセフは、もう迷うことはありませんでした。すぐにマリヤを迎え入れ、結婚しました。そしてその子が生まれるまで、マリヤの体も心も、本当に大切にしたのでした。
☆その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め(イザヤ 9:7)
ヨセフは、ダビデ王の家系でした。が、イスラエルは、北イスラエル王国&南ユダ王国とも、何百年も前に滅んでしまっています。王の血筋とは言え、ヨセフは貧しい大工となっていました。しかし、王国が滅びる、そのまたずっと前から、神さまは一つの大事な約束をしてくださっていたのです。それは、ユダヤの民を、いいえ全人類を、滅びから救う救い主が“ダビデ王の子孫として生まれる”というものでした。
この預言は、もちろん聖書(つまり旧約聖書)の中に記されています。イスラエルでは、特に男の子には、小さい頃から神の律法を学ばせます。ヨセフも、それこそ叩きこまれるように教えられてきたでしょう。この神さまのお約束が、ついに自分の代で果たされることになったのだと、彼は理解したのかもしれません。名もなく貧しい大工である自分が、主の使いから「ダビデの子よ」と呼ばれた時に。
“メシヤ降誕”という神の約束は、何百年の時を経て実現しました。その約束を忘れることなく、メシヤが来られることを信じ、神からのよびかけにすぐに応えた男が用いられました。神さまは、お約束なさったことは、必ず、絶対に、果たされます。どれほど長い年月をへだてようとも、お忘れになったり、お破りになったりすることは、決してありません。いつまでもイエスさまは来てくださらない、祈りが聞かれない、神さまきっと忘れちゃったんだ〜…などと勝手に決めてはなりません。私たちに十分な恵みと必要な試練を与え、定められた時を経たあとで、最高の祝福をくださるというのが神さまのお約束です。忘れるな!
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