(5) 申命記

申命記とは“もう一度命じる”といった意味です。40年荒野をさまよった民に、モーセは神さまの言われたこと、してくださったことをもう一度思い起こさせ、「だからこの神について行くのだ!」と命じています。

☆あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい(申命記 6:6)

神さまがカナンというすばらしい土地を用意してくださったにもかかわらず、そこに強そうな民族が住んでいると知って「もうダメだぁ〜!」と泣きわめいてしまったイスラエルの人々。

カレブとヨシュア
神のおことばを信じないで 民は泣きわめいた

ですが、その態度に神はお怒りである!とモーセから聞くと、今度はそれにもビビってしまい、あわてて勝手に攻め上ってはボロ負けするありさま。結局神さまのおっしゃったとおり、彼らの子どもたちの世代に移り変わるまで、長いこと荒野で暮らすはめになってしまいました。もっともその間も神さまは、ずっと民を守り続けてくださったのです。

そして38年後。とうとう“約束の地に入れ”という神の命令が下りました。モーセの次のリーダーとしてヨシュアを任命し、カナンを目指せ、と。

モーセからヨシュアへ
モーセはヨシュアの上に手を置き 皆の前で任命した

モーセは民を集めると、これまでに神さまからいただいたメッセージをあらためて伝え、そして言いました。

きょう、わたしがあなたに命じるこれらの言葉を
あなたの心に留め、…
またあなたはこれをあなたの手につけてしるしとし、
あなたの目の間に置いて覚えとし、
またあなたの家の入口の柱と、
あなたの門とに書きしるさなければならない。

(口語訳聖書 申命記 6:6,8–9)

覚えておきなさい。神の教えを、恵みを。いつの世までも伝え続けなさい…。モーセは自分自身、神のことばをずっと書きしるし続けてきたのです。

☆モーセのような預言者は、もう再びイスラエルには起こらなかった(申命記 34:10)

人間というのは、いろいろなことをすぐ忘れてしまいます。覚えているようでも、いつのまにか頭の中で話が変わってしまっていたりする。だから「書いておく」というのは、とても良いやり方です。

ひとついいアイデアを教えましょう。新年最初の日曜日に、1年間の祈りの目標を2つか3つ、ノートに書くのです。壁に貼っておいてもいい。しょっちゅう見るところに置く。目標はなるべく具体的に書くのがいいです。“ピアノがうまくなりたい”ではなく、“発表会で○○の曲を弾く”。“お友だちが教会に来るように”でなく、“□□くんと△△くんを教会学校に誘う”。そのあとは、それを見るたび心の中でお祈り(神さまとお話し)する。時間は短くてもかまいません。何度も見ることが大事です。時間があるときは聖書を読みましょう。そしてその年の大晦日に、ノートを見ながら祈り、どういう結果になったかを書いておく。これを毎年くりかえす。書いたものはとっておきます。3〜4年もやると“神のお導きやお恵みを心に刻む”力がついてくるはずです。

エジプトを出たとき、モーセは80歳。それから40年がたち、彼は120歳になっていました。年齢を感じさせない力強い人でしたが、それでも最期の時は近づいていました。彼は民にすべてを語り終えると、山に登って行きました。頂上からはカナン一帯を見渡すことができます。そこに民を率いてゆくのはヨシュア。神の命令により、モーセは入れないのです。しかし、ここまで忠実に神に従ってきた偉大な指導者モーセに、神さまは最後に約束の土地を見せてくださったのでした。

《[Canaan from Mt. Nebo](ネボ山からカナン)で画像検索》

ぬりえ

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